後発内障

後発白内障

術後の「かすみ」は後発白内障かも

白内障手術から数ヶ月〜数年経って、「またかすみが出てきた」「視力が落ちた」「眼鏡を合わせ直してもスッキリしない」と感じることはありませんか?それは「白内障の再発」ではなく、多くの場合「後発白内障」という状態です。

後発白内障(原因・病態)

白内障手術では、眼内レンズを安定して固定するために、もともと水晶体を包んでいた「袋(水晶体嚢)」を残して、その中にレンズを挿入します。

しかし、この袋に存在する「水晶体上皮細胞」が時間の経過とともに増殖し、本来透明な袋の後ろ側(後嚢)が混濁していくことがあります。これが光の通り道を邪魔することで、かすみや視力低下を引き起こします。

■液状後発白内障

袋そのものが濁るのではなく、袋とレンズの隙間に「濁った液体」が溜まる特殊なタイプです。この液体が光を遮ったり散乱させたりするため、視界の鮮明さが損なわれる原因となります。

発症頻度について

後発白内障の発症頻度は、術後の期間や挿入した眼内レンズの種類、他の目の病気の有無によって異なり、約1〜50%* と報告されています。(*出典:Kwon YR et al. J Ophthalmol 2022

後発白内障の治療(YAGレーザー)

濁ってしまった袋(後嚢)に、専用のYAG(ヤグ)レーザーを照射します。

  • ピンポイントで濁りを開放する レーザーを用いて、濁った膜を瞬時に、かつピンポイントに切り開きます。切らずに非接触で濁りを取り除くことができるため、目への負担が非常に少ないのが特徴です。
  • 本来のIOL(眼内レンズ)の機能を取り戻す 光を遮っていた濁りだけを取り除くことで、挿入されている眼内レンズが持つ本来の性能を発揮できる状態へと整えます。

・当院では、低エネルギーで効率よく処置が可能な「Tango Neo(ルミバードジャパン社製)」を導入し、より安全で低侵襲な治療を行っています。

治療の特徴

  • 痛みはほとんどありません 点眼麻酔(目薬の麻酔)を行うため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
  • 短時間での処置 処置時間は1〜2分程度です。診察と同じように椅子に座ったまま行い、入院の必要はありません。
  • 基本的には一度きりの治療 一度レーザーで濁りを切り開けば、その場所が再び濁ることは基本的にはありません。
  • 一時的な「飛蚊症(ひぶんしょう)」 レーザーで切開した膜の破片が一時的に目の中に散らばるため、治療後しばらくの間、小さな虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」を感じることがあります。多くの場合、時間の経過とともに気にならなくなります。
医師からのメッセージ
芳賀 史憲

白内障手術後の視界のかすみは、後発白内障によるものが多いです。 後発白内障であれば、専用レーザーによる短時間の処置で、眼内レンズ本来の見やすさを取り戻すことができます。 「最近少し見えにくいな」と感じたら、ご自身で判断なさらず、まずは一度お気軽にご相談ください。