白内障

白内障

白内障とは

白内障とは、目の中にある「水晶体」というレンズの役割をしている組織が濁ることで、光が網膜に届きにくくなり、視力が低下する病気です。

多くは加齢によるものですが、糖尿病、アトピー性皮膚炎、外傷、薬(ステロイド)の副作用などで比較的若い方に発症することもあります。

白内障を疑う症状

以下のような症状に心当たりがある場合は、早めの受診をお勧めします。

  • 物がかすんで見える、霧がかかったように見える
  • 光を異常にまぶしく感じる(晴れた日の屋外や夜間の対向車のライトなど)
  • 物が二重、三重に見える
  • 眼鏡の度数が合わなくなった(急に近くが見やすくなった等)
  • 視力が低下し、眼鏡を変えても見にくい

白内障の治療

白内障が軽度の場合は、点眼薬で進行を遅らせる治療を行いますが、一度濁った水晶体を点眼薬で透明に戻すことはできません。

根本的に視力を回復させるためには、濁った水晶体を取り除き、人工の「眼内レンズ」を挿入する手術が必要となります。

手術の内容と流れ

手術の方法

  1. 麻酔: 点眼麻酔を行います 。
  2. 切開: 角膜または強膜を切開し、水晶体を包む袋(前嚢)を直径5〜6mm切開します 。
  3. 除去: 濁った水晶体を超音波で砕いて吸引します 。
  4. 挿入: 残した袋の中に人工の眼内レンズを挿入します 。

手術の時間・痛み

  • 手術時間は通常5分~10分程度です(目の状態により前後します)。
  • 多くの方は強い痛みを感じませんが、まぶしさや軽い不快感を覚えることがあります。刺激に敏感な方には麻酔の追加など適切に対応いたします。
眼内レンズの種類

白内障手術で挿入するレンズには、大きく分けて2つのタイプがあります。

1. 単焦点眼内レンズ

  • 特徴: 特定の一箇所(遠く、または近く)にピントを合わせるレンズです。
  • メリット: コントラストが良く、くっきり見えやすい。健康保険が適用されます。
  • デメリット: ピントを合わせた場所以外を見るには、眼鏡(老眼鏡など)が必要です。

2. 多焦点眼内レンズ(遠近両用)

  • 特徴: 遠く・中間・近くなど、複数の距離にピントを合わせるレンズです。
  • メリット: 眼鏡をかける頻度を大幅に減らすことができます。
  • デメリット: 暗い場所で光がにじんで見える(グレア・ハロー現象)ことがあります。選定療養または自由診療となるため、費用が高額になります。
手術前後の流れ

手術前の準備

  • 検査: 眼底検査(瞳孔を開くため運転不可)、角膜形状解析、採血などを行います 。
  • 点眼: 手術3日前から抗生剤の点眼を開始します 。
  • 服装: 前開きの服で来院してください。アクセサリーやお化粧は控えてください 。

手術当日

  • 実際の手術時間は5~10分程度です 。
  • 手術中は光を感じたり触られる感覚はありますが、痛みはほとんどありません 。
  • 終了後は眼帯をして帰宅し、翌日まで外さないでください 。

手術後の通院

  • 翌日: 受診して眼帯を外し、保護メガネに切り替えます 。
  • その後: 翌週は週2回、1ヶ月目までは週1回程度の受診が必要です 。
手術の合併症について

白内障手術は非常に安全性の高い手術ですが、外科的処置である以上、リスクがゼロではありません。

  • 眼内炎: 傷口から細菌が入る感染症です。稀ですが、視力に重大な影響を及ぼすため、術後の点眼と清潔保持が非常に重要です。
  • 後嚢破損・チン氏帯断裂: 水晶体を支える袋や糸が弱く、手術中に破損することです。その場合、レンズの固定方法を変更するなどの処置が必要になります。
  • 後発白内障: 術後数ヶ月〜数年して、レンズを包む袋が濁り、再びかすんで見えるようになる症状です。これはレーザー治療で比較的短時間に改善できます。
術前後の注意点

手術前

  • 手術の数日前から、感染予防のための抗生剤点眼を開始します。
  • 持病の薬(血圧の薬など)は、医師の指示に従って服用してください。

手術後

  • 点眼: 炎症や感染を防ぐため、数ヶ月間は指示通りに点眼を続けてください。
  • 生活: 手術当日は安静にし、洗顔・洗髪は数日間控える必要があります
  • 運転: 視力が安定するまでは運転を控えてください。
費用

単焦点レンズでの日帰り手術費用(目安)

白内障手術は健康保険の適用となります。窓口でのお支払い額は、加入されている健康保険の負担割合によって異なります。
※下記は一般的な手術費用と薬剤料を含んだ概算です。症状の程度によって使用する注射や薬剤が変わるため、費用が多少前後することがあります。

自己負担割合片眼の費用目安
1割負担の方約15,000円
2割負担の方約30,000円
3割負担の方約45,000円

高額療養費制度について

月の医療費が一定の金額を超えた場合、その超えた分が払い戻される「高額療養費制度」があります。

  • 自己負担額の変動: 世帯の収入状況や、事前に「限度額適用認定証」の申請を行っているかどうかによって、窓口でのお支払い額が上記目安より安くなる場合があります。
  • 両眼手術の場合: 同じ月に両眼の手術を行う場合、所得区分によっては上限額が適用され、自己負担をさらに抑えられるケースがあります。

制度の詳細や、ご自身が該当する所得区分については、以下の厚生労働省ホームページをご確認いただくか、お手持ちの保険証の発行元(健保組合・市区町村など)へお問い合わせください。

外部リンク: 高額療養費制度を利用される皆様へ(厚生労働省)

医師からのメッセージ
芳賀 史憲

手術後に「よく見えるようになった」と喜んでいただけることが、私にとって何よりの励みであり、この仕事の大きなやりがいです。 これまで磨き上げてきた技術を、生まれ育ったこの地元で皆様のために還元できることを心から嬉しく思います。 お一人おひとりの目の状態に合わせた最良の結果を追求し、常に丁寧な手術を心がけています。