視野が欠けて見える

視野が欠けて見える

「視野が欠ける(視野欠損)」とは

視野が欠ける(視野欠損)とは、見えている範囲の一部が暗くなったり、欠落したりする状態です。

私たちの目は、片方の目に欠損が起きても、もう片方の目が情報を補ってしまう性質があります。そのため、かなり進行するまでご自身では気づかないケースも少なくありません。
特に、急な視野欠損は、早急な検査・治療が必要なケースが多いです。少しでも違和感があれば、放置せず早めにご相談ください。

1. 症状の分類と主な原因

① 急激に症状が出た場合(数日〜数週間)

目に見えている景色の一部が灰色〜黒っぽく欠ける状態です。早急な検査・治療が必要なケースが多いため、放置せず受診してください。

  • 網膜剥離・網膜裂孔:網膜が剥がれることで視野を失います。前兆として飛蚊症(ゴミが飛ぶ)や光視症(光が走る)が出ることがあります。
  • 硝子体出血:網膜の血管が切れて目の中に血が広がる状態です。墨を流したように広がり、視界全体が暗くなることもあります。
  • 網膜動脈・静脈閉塞症:網膜の血管(動脈や静脈)が詰まる「目の梗塞」です。突然真っ暗になったり、視界の半分が欠けたりします。
  • 急性緑内障発作:眼圧が急上昇し、激しい眼痛、頭痛、吐き気を伴います。放置すると短期間で失明に至る恐れがあります。
  • 視神経炎:目と脳をつなぐ視神経に炎症が起きる病気です。視力低下のほか、目を動かすと痛みを感じることがあります。
  • 閃輝性暗点(偏頭痛):歯車のような光が見えた後に視野が欠け、その後に頭痛が起こります。
  • 脳梗塞:突然片側の視野が欠けます。手足のしびれや呂律が回らないなどの全身症状を伴うことがあります。

② 徐々に症状が出た場合(いつからか不明)

「たまたま片目で見たら見えない部分があった」など、いつから進行していたか分からない状態です。慢性的な疾患が隠れている可能性があります。

  • 緑内障:日本人の失明原因第1位の病気です。視神経が少しずつ障害され、周辺から視野が欠けていきますが、末期まで自覚症状がほぼありません。
  • 若年性の網膜剥離:近視が強い若い方などに起こりやすく、ゆっくり進行するため気づきにくい場合があります。
  • 加齢黄斑変性:網膜の中心(黄斑)に異常が出る病気です。視野の中心が歪んだり、暗く欠けたりします。
  • 網膜色素変性:遺伝性の疾患で、夜間や暗いところで見えにくい(夜盲)から始まり、徐々に視野が狭くなります。
  • 脳腫瘍・神経の病気:脳内の視神経が腫瘍などで圧迫されることで、視野が狭くなることがあります。
  • 眼瞼下垂:加齢などでまぶたが下がることで、物理的に上方の視野が遮られます。

2. 当院の検査体制

「視野の欠けを正確に診断するため、当院では以下の精密検査を行います。

視野検査(ハンフリー視野計):見えている範囲と、光を感じる力の強さを精密に測定します。

OCT(光干渉断層計):網膜や視神経の断面をスキャンし、マイクロメートル(1000分の1ミリ)単位の精度で解析します。

医師からのメッセージ
芳賀 史憲

視野の欠けは、自覚したときにはすでにある程度進行していることも少なくありません。特に緑内障などの病気は、早期に発見して進行を食い止めることが、将来の視野を守る唯一の手段です。
「たまたま気づいた違和感」が、目を守るための大切なサインかもしれません。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。